てぃーだブログ › 大石林山 山だより › 博物館 › 博物館:トゥージーに水が入りました

2019年10月26日

博物館:トゥージーに水が入りました

博物館の石製民具類は、沖縄の知恵の産物です。代表的なものには、石棺(せっかん)があります。

博物館:トゥージーに水が入りました

素材は、直径3㍍以上にも成長するハマサンゴの仲間です。海から引き上げられたサンゴ塊は、多孔質(たこうしつ)でやわらかく加工し易いからです。おそらく住人にとっては、潮の香りのする・・・。

沖縄では、土地のものがよく利用されています。何もない時代のこと。特に貴重な水を蓄(たくわ)える水桶(おけ)や水槽です。島々では、木を利用したくてもない。そこで目を付けたのが石です。

台風の激しい波に叩きつけられ、海岸の崖(がけ)から崩落した巨岩礫(れき)が適当。あらゆる道具で岩塊(がんかい)をえぐり、あの手この手でユイマールで我が家まで運び上げ、命を長らえてきた貴重な生活用具です。

例えば、与那国島の砂岩製の角形水槽、めぼしい石のない宮古あたりの石灰岩製の水槽、火山性の地層からなる粟国島の角礫凝灰岩(かくれきぎょうかいがん)製の水槽などがあります。
(森が多く木の豊富なヤンバルでは、石製のものは少ないことをはじめて知った。これは驚き。)


博物館:トゥージーに水が入りました

トゥージー(手水(ちょうず)からの訛りか)と呼ばれる粟国島の水槽。これは火山灰の中に大きな火山礫を含むもので、表面は火山に由来する石がゴツゴツしているが、ちょっとした芸術品である。もちろん水槽の中もデコボコではあるが、ひしゃくの奏でる音はなかなか風流。

博物館:トゥージーに水が入りました

今回、やっと雨が降り、トゥージーにが入りました。川のない島なので雨水が頼みです。ウチナーの青い空と雲が写っています。ご覧下さい。

(名誉館長 大城逸朗)


タグ :博物館民具

同じカテゴリー(博物館)の記事

Posted by 大石林山 at 15:25│Comments(0)博物館
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。