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2020年07月08日

刻まれた古代文字様の謎

大石林山は、中生代の地層の上に古生代の地層が「這い上がる」ようにしてできた複雑奇怪なところである。山の北から東側にかけての垂直な崖がそのことを物語っている。

専門的には、プレートの移動に伴う付加体堆積物からなる地質構造を示している。大石林山の成り立ちが分かったことによって、ヤンバルの山々がどのようにしてでき、さらに特異な自然環境が形成されたのかが分かったのだから・・・

さて、山の地層は全域が結晶質の石灰岩からできている。石灰岩は、水に溶けやすい性質の石だから、溶け損なった石は抵抗し、それぞれ面白い形となり自己主張をしている。

山へはいると、そこはまさに石の動物園である。また岩肌には暗号のような古代文字のような得体の知れない模様も多い。時には、かつてのテストの答案を思わせる懐かしい×印がある。思わず「自然はユーモアがわかる!」と叫びたくなる。


刻まれた古代文字様の謎

刻まれた古代文字様の謎

この×印、これは土地の成り立ちを教えてくれる重要な暗号なのだ。切りつ切られつの関係でできたこの×印は、交わってできた角度の鋭角側方向から地層に押す力が加わったことを示しているのだ。共役節理(きょうやくせつり)という。写真の×印は、上下方向から押す力があったことを示している。これが大石林山の形成と一致しているから面白い。

散策しながら新たな発見をしてみてはいかが。


(文責 名誉館長 大城逸朗)



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