2023年12月20日
ふたご座流星群2023
ふたご座流星群は年間三大流星群の一つで、毎年12月中旬にたくさんの流星を降らせる天文現象です。
今年のふたご座流星群の極大(地球が最もチリの濃い部分を通過するタイミング)は12月15日午前4時、月も新月に近いということで「8年ぶりの好条件」と言われていました。
大石林山では13日と14日の2晩、精気小屋付近にテントを張ってキャンプイベントを行いました。この時期の沖縄は寒気の影響で曇ることが多く毎回不安なのですが、今年は運良く両日とも好天となり、無事に観望していただくことができました。
極大前日、13日ははじめ快晴でしたが夜間の冷え込みが強く、霧や低い雲が出た時間がありました。それでも平均すると空の半分以上は晴れていて、21時から0時までの3時間に64個の流星を確認することができました。
その後は寝たり起きたりでカウントもやめてしまいましたが、朝までに見た流星は100個は超えていたと思います。
バリアフリーコースの第一ステージ付近にカメラを設置していましたが、この選択は誤りでした。朝になって回収に行ってみると、レンズが夜露でビッシリでした。夜露が出にくい場所に置いておけば、もっとクリアな画が得られたはずです。
ふたご座方向から流れる明るい流星
翌14日は極大日。はじめはベッタリ曇っていましたが、星空の解説を行う20時頃には雲が切れてきて、流星がチラホラ見えるようになりました。夜半前にはすっかり雲が消え、朝まで快晴でした。宿直スタッフやキャンプのお客様の話では多数の流星を見ることができ、特に明るい「火球」と呼べるものもいくつかあったそうです。
この日はバリアフリーコースの第3ステージ手前から精気小屋方向を撮影。風が吹いていたので夜露は全く無く、綺麗に撮れていました。細かいものも含めると250個ほども写っていました。
14日23時45分、かに座~しし座付近を流れた火球
10秒露光×100枚を重ね合わせ。
約17分間の中に8個の流星が写っています。
15日1時05分、おおいぬ座付近を流れた火球
この火球は沖縄タイムスに掲載されたのと同じものだと思います。大石林山と辺戸岬は距離が近いので、空の同じような場所を流れていますね。
数分に1度流れる星々 「きゃー!」天体ショーに歓声 「ふたご座流星群」、沖縄・国頭村で出現ピーク【動画あり】 | 沖縄タイムス+プラス
14日に撮影した写真はタイムラプス動画に編集してYouTubeにアップしています。
さらに15日、極大は過ぎてもまだ少し流れているので写真撮影だけ行うことに。今度はバリアフリーコースの第2ステージです。明け方に予想されていた雨を避けるため設置場所や角度が限定されてしまいましたが、この制約が良い方向に働きます。
この日は予定があって外出していて、帰りが遅くなりました。どうせなら少し眺めていこうと思い、大石林山の駐車場へ。「2~3個見えたら帰ろう、今年の見納めにしよう」と思い寝転がって流星を待ちます。
しかし5分、10分と見ていても一向に流星が現れず。晴れてはいるのですが…。「極大を過ぎるとパッタリ出なくなる」というふたご座流星群、1日過ぎただけでこんなに変わってしまうのかと痛感しました。
見始めてから15分ほど経過したとき、視界の左端をスーッと流れ落ちる白い光が。マイナス3~4等級でしょうか、かなりの明るさです。おお~火球だ~、と思っていたらパッと小爆発が起き、緑色に輝きました。流星本体は下方向に流れ落ちて消えていきましたが、爆発の箇所はしばらく光っていました。流星痕の中でも長く残る「永続痕」と呼ばれるものです。
火球が流れた方角を見ると西北西。ちょうどカメラを仕掛けたところではないですか。しかし、高さが不安でした。光り初めは写ったでしょうが、下半分ぐらいは岩に隠れたかもしれない…
とにかく、この火球を2023年の流星の見納めとしました。
翌朝、やはり雨で地面が濡れていました。カメラを回収し、その場で画像を確認。昨晩目で見た流星は、写真にギリギリ全体が写っていました。ふたご座流星群の置き土産をしっかりと受け取ることができました。
16日0時46分の火球
10秒露光×100枚を重ね合わせ
2018年ごろから流星群の撮影をしていますが、晴れた年の中では今回が一番活発だったように感じました。写真も良いものがたくさん撮れてよかったです。
来年は満月で厳しそうです。その次2025年は極大のタイミングが夕方なので、極大直後に多いという火球が多く見られるかもしれません。月齢もまずまずで要注目です。
(博物館・服部)
今年のふたご座流星群の極大(地球が最もチリの濃い部分を通過するタイミング)は12月15日午前4時、月も新月に近いということで「8年ぶりの好条件」と言われていました。
大石林山では13日と14日の2晩、精気小屋付近にテントを張ってキャンプイベントを行いました。この時期の沖縄は寒気の影響で曇ることが多く毎回不安なのですが、今年は運良く両日とも好天となり、無事に観望していただくことができました。
極大前日、13日ははじめ快晴でしたが夜間の冷え込みが強く、霧や低い雲が出た時間がありました。それでも平均すると空の半分以上は晴れていて、21時から0時までの3時間に64個の流星を確認することができました。
その後は寝たり起きたりでカウントもやめてしまいましたが、朝までに見た流星は100個は超えていたと思います。
バリアフリーコースの第一ステージ付近にカメラを設置していましたが、この選択は誤りでした。朝になって回収に行ってみると、レンズが夜露でビッシリでした。夜露が出にくい場所に置いておけば、もっとクリアな画が得られたはずです。
ふたご座方向から流れる明るい流星
翌14日は極大日。はじめはベッタリ曇っていましたが、星空の解説を行う20時頃には雲が切れてきて、流星がチラホラ見えるようになりました。夜半前にはすっかり雲が消え、朝まで快晴でした。宿直スタッフやキャンプのお客様の話では多数の流星を見ることができ、特に明るい「火球」と呼べるものもいくつかあったそうです。
この日はバリアフリーコースの第3ステージ手前から精気小屋方向を撮影。風が吹いていたので夜露は全く無く、綺麗に撮れていました。細かいものも含めると250個ほども写っていました。
14日23時45分、かに座~しし座付近を流れた火球
10秒露光×100枚を重ね合わせ。
約17分間の中に8個の流星が写っています。
15日1時05分、おおいぬ座付近を流れた火球
この火球は沖縄タイムスに掲載されたのと同じものだと思います。大石林山と辺戸岬は距離が近いので、空の同じような場所を流れていますね。
数分に1度流れる星々 「きゃー!」天体ショーに歓声 「ふたご座流星群」、沖縄・国頭村で出現ピーク【動画あり】 | 沖縄タイムス+プラス
14日に撮影した写真はタイムラプス動画に編集してYouTubeにアップしています。
さらに15日、極大は過ぎてもまだ少し流れているので写真撮影だけ行うことに。今度はバリアフリーコースの第2ステージです。明け方に予想されていた雨を避けるため設置場所や角度が限定されてしまいましたが、この制約が良い方向に働きます。
この日は予定があって外出していて、帰りが遅くなりました。どうせなら少し眺めていこうと思い、大石林山の駐車場へ。「2~3個見えたら帰ろう、今年の見納めにしよう」と思い寝転がって流星を待ちます。
しかし5分、10分と見ていても一向に流星が現れず。晴れてはいるのですが…。「極大を過ぎるとパッタリ出なくなる」というふたご座流星群、1日過ぎただけでこんなに変わってしまうのかと痛感しました。
見始めてから15分ほど経過したとき、視界の左端をスーッと流れ落ちる白い光が。マイナス3~4等級でしょうか、かなりの明るさです。おお~火球だ~、と思っていたらパッと小爆発が起き、緑色に輝きました。流星本体は下方向に流れ落ちて消えていきましたが、爆発の箇所はしばらく光っていました。流星痕の中でも長く残る「永続痕」と呼ばれるものです。
火球が流れた方角を見ると西北西。ちょうどカメラを仕掛けたところではないですか。しかし、高さが不安でした。光り初めは写ったでしょうが、下半分ぐらいは岩に隠れたかもしれない…
とにかく、この火球を2023年の流星の見納めとしました。
翌朝、やはり雨で地面が濡れていました。カメラを回収し、その場で画像を確認。昨晩目で見た流星は、写真にギリギリ全体が写っていました。ふたご座流星群の置き土産をしっかりと受け取ることができました。
16日0時46分の火球
10秒露光×100枚を重ね合わせ
2018年ごろから流星群の撮影をしていますが、晴れた年の中では今回が一番活発だったように感じました。写真も良いものがたくさん撮れてよかったです。
来年は満月で厳しそうです。その次2025年は極大のタイミングが夕方なので、極大直後に多いという火球が多く見られるかもしれません。月齢もまずまずで要注目です。
(博物館・服部)
Posted by 大石林山 at 14:53│Comments(0)
│自然の話題
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