軽石漂着
火山の噴火に伴ってマグマが発泡してできたもののうち、多くの空洞があって水に浮かぶぐらい軽いものを軽石と呼びます。
発泡が足りないと重くて水に浮かず、発泡しすぎるとバラバラに壊れて火山灰になってしまいます。
8月13日、1350km彼方の「福徳岡ノ場」が噴火したときにできた軽石が、海流に乗って約2ヶ月かけて南西諸島に流れ着きました。
10月5日に北大東島、10日に鹿児島県の喜界島、12日には奄美大島に到達したというSNSの投稿を見て、翌13日に村内東海岸の浜へ探しに行きました。
最初は双眼鏡で遠くから眺めていて「ないなあ」と思っていましたが、浜に下りてみると小さいながらも波打ち際にたくさんの軽石が漂着していました。
12cmほどの塊が1個だけゴロンと転がっていました。
表面には漂流物に取り付く生き物、エボシガイ(の一種)が付着していました。
貝といっても貝ではなくてフジツボに近い仲間の生き物です。
まだ小さいので、海に浮いていた時間がそれほど長くなかった証拠です。
他にも13日には沖縄本島南部や久米島、14日は与論島に到達したという報告がありました。
翌日、近くの浜へ行ってみると、前日よりも随分多くの軽石が漂着していました。
博物館では早速、「速報展示」を開始しました。
現在、博物館は土日祝のみオープンですが、こちらの軽石はいつでもご覧いただけます。
今回流れ着いたのは衛星画像で微かに見えていたもので、これからもっと大規模な「本体」が到達するとも言われています。
漁業、観光業などにあまり影響が出ないことを祈ります。
(博物館・服部)
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