2023年05月20日
「安須森の大池」 山の中に巨大な池がある!
山は、南北いずれの方向から見ても、異形である。
その地形は、特殊な石、石灰岩が造るタワーカルストだからである。
塔状となり、垂直な崖は裸地で、中腹あたりから斜面にかわることが特徴である。
タワーカルスト(背後)とドリーネ(手前の窪み)
県内でもユニークな「石の博物館」を横目にして入山すると、刺々しい岩に取り囲まれた自然の創り出す冒険の世界へ飛び込んだ気持ちになる。
石灰岩特有の刺々しい地形はカルストという。
ドリーネの中の精気小屋
休憩所の精気小屋あたりから眺めると、絵に描いた「岩の創る大パノラマ」を見るように美しい。
そのパノラマのつくる鍋底のような大きな窪地は、カルスト地形のドリーネである。
ここは陸地になってから数千万年を経た土地だ。
その間、降雨に晒され続け、その結果できたのが現在の岩山の姿である。
本来なら、水は山の斜面を川のように流れるはずである。
しかし、カルスト地形では、水の容食作用により、時に鍋底のような窪みをつくり、そこに水が溜まり池になることがよくある。
そう、ここはかつて大きな「安須森の大池」であったはずだ。
だが、如何せん石灰岩は水に溶けやすい。いつまでもたまり続けるのではなく、水の抜け道ができるのが自然現象だ。
ドリーネの水を飲み込んだ「鍋池」
バリアフリーコースから眺めるとやや深い窪みが見えるが、そこは「鍋池」といい、水たまりの吸い込み口である。
そして洞穴へ接続しているはずである。
水は鍋池を通り、地中深く海へ注いでいることになる。
今でも大雨の時、数カ所にできる小さなドリーネの水たまりがすぐ消えてなくなることがその証拠である。
大池の存在は、古文書の記録にはないが、おそらく安須森御嶽ができるはるか以前に消えたのであろう。
大石林山には自然の不思議さがたくさん転がっているのだ。
(博物館名誉館長 大城逸朗)
その地形は、特殊な石、石灰岩が造るタワーカルストだからである。
塔状となり、垂直な崖は裸地で、中腹あたりから斜面にかわることが特徴である。
タワーカルスト(背後)とドリーネ(手前の窪み)
県内でもユニークな「石の博物館」を横目にして入山すると、刺々しい岩に取り囲まれた自然の創り出す冒険の世界へ飛び込んだ気持ちになる。
石灰岩特有の刺々しい地形はカルストという。
ドリーネの中の精気小屋
休憩所の精気小屋あたりから眺めると、絵に描いた「岩の創る大パノラマ」を見るように美しい。
そのパノラマのつくる鍋底のような大きな窪地は、カルスト地形のドリーネである。
ここは陸地になってから数千万年を経た土地だ。
その間、降雨に晒され続け、その結果できたのが現在の岩山の姿である。
本来なら、水は山の斜面を川のように流れるはずである。
しかし、カルスト地形では、水の容食作用により、時に鍋底のような窪みをつくり、そこに水が溜まり池になることがよくある。
そう、ここはかつて大きな「安須森の大池」であったはずだ。
だが、如何せん石灰岩は水に溶けやすい。いつまでもたまり続けるのではなく、水の抜け道ができるのが自然現象だ。
ドリーネの水を飲み込んだ「鍋池」
バリアフリーコースから眺めるとやや深い窪みが見えるが、そこは「鍋池」といい、水たまりの吸い込み口である。
そして洞穴へ接続しているはずである。
水は鍋池を通り、地中深く海へ注いでいることになる。
今でも大雨の時、数カ所にできる小さなドリーネの水たまりがすぐ消えてなくなることがその証拠である。
大池の存在は、古文書の記録にはないが、おそらく安須森御嶽ができるはるか以前に消えたのであろう。
大石林山には自然の不思議さがたくさん転がっているのだ。
(博物館名誉館長 大城逸朗)
Posted by 大石林山 at 09:49│Comments(0)
│自然の話題
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