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2022年06月22日

読谷の小学6年生、「イーグルアイ」で発見!不思議な化石

昨年6月、大石林山・沖縄石の文化博物館に読谷村の小学生、日谷真歌(ひのたに・まう)くんから石の鑑定依頼がありました。

お父さんとの散歩中に読谷の造成地の道端で拾い集めたという、それら数十個の小豆大の黒い石は沖縄でよく産出されるマンガンノジュール(マンガン団塊)でした。

家に持ち帰り、泥がついていたので丁寧に洗浄してみたところ、2つだけ異質なものがあり、紙にこすりつけてみるとマンガンノジュールでは筋が付くのですが、その2つでは黒光りするだけで跡が付かなかったとのことです。


読谷の小学6年生、「イーグルアイ」で発見!不思議な化石

大城逸朗名誉館長や外部の専門家にも見ていただき、「アフリカのモロッコでよく産出される古生代デボン紀(およそ4億年前)のアンモナイト化石」の可能性が高いことがわかりました。

アンモナイト自体は沖縄でも今帰仁や本部の中生代の地層から見つかりますが、それよりも古い古生代のアンモナイトは沖縄からはまだ見つかっていません。

今回アンモナイトが見つかった造成地の元を辿ってみると、飛行場跡付近から持ってきた赤土が使われていることがわかりました。それ以上のことは不明ですが、米軍関係者がアフリカで入手して持っていたものを何かの折に捨てたのかもしれませんね(地学的には、標本を採集地ではない場所に捨てるのはNG行為なのですが)。

経緯はどうであれ、遠く離れたアフリカから運ばれたアンモナイトの化石が日谷くんによって予想もできない場所から発見されたのです。子どものイーグルアイ、鷲のように鋭い観察眼があったからこそです。

沖縄県の子どもたちに今回の発見をお知らせし、「発見」は自分の身近にもあること、また「発見」は多くの「知ること・学ぶこと」に繋がっていて、それはとても「面白い」事であることをお伝えし、子どもたちの自然や科学への興味関心を持つきっかけにできればと考え、記者発表会を行いました。


読谷の小学6年生、「イーグルアイ」で発見!不思議な化石



今後、この2つのアンモナイトは大石林山・沖縄石の文化博物館の企画展にて展示する予定となっております。

詳細決まり次第、またお知らせいたします。


(博物館・服部)



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Posted by 大石林山 at 13:30│Comments(0)博物館
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