2020年06月26日
重力に逆らう蘇鉄(ソテツ)を発見
大石林山で調査を終え、帰りがけに美ら海(ちゅらうみ)展望台から見える絶景の余韻に浸る間もなく、突然天地の上下の判断を失うような光景に遭遇した。
写真をご覧頂きたい。


思わず首を傾げて見直してしまった。これは垂直に切り立つ石灰岩の断崖絶壁から真横に延びた巨大なソテツの姿である。それも数本はある。
左側の崖の表面のソテツは確かに上へ延びている。しかしその右側は横方向へ伸びているではないか。これは明らかに重力に逆らった姿勢である。大きいものは、長さ3㍍、幹回り70㌢ほどはある。
地球上にある物体には引力が働く。そのために重量、重さというのがあるのだ。しかしこのソテツ君、何を勘違いしたのだろうか、自然の理に反しているではないか。崖に垂直に延びた先端は、少し上向き加減であり、引力に気づいている様子はある。
さて、重力に逆らう何らかの原因があるのだろうか。不思議なことだ。智恵を絞って考えてみた。地形の影響が大きい原因ではないだろうかと。
つまりソテツの赤い実は、カルスト地形の表面を転げ落ちながら岩の割れ目にへばり付き、いつか芽生えた。成長とともに、隣の仲間の姿とは異なるその不自然さには気づいた。しかし、絶壁に吹き付ける強い風は、岩肌に沿いながら吹き上げる風となり、それが「支柱」の役目をなした結果ではないだろうか。
奇跡的なことである。是非ご覧頂きたい。
(文責 博物館名誉館長 大城逸朗)
写真をご覧頂きたい。
思わず首を傾げて見直してしまった。これは垂直に切り立つ石灰岩の断崖絶壁から真横に延びた巨大なソテツの姿である。それも数本はある。
左側の崖の表面のソテツは確かに上へ延びている。しかしその右側は横方向へ伸びているではないか。これは明らかに重力に逆らった姿勢である。大きいものは、長さ3㍍、幹回り70㌢ほどはある。
地球上にある物体には引力が働く。そのために重量、重さというのがあるのだ。しかしこのソテツ君、何を勘違いしたのだろうか、自然の理に反しているではないか。崖に垂直に延びた先端は、少し上向き加減であり、引力に気づいている様子はある。
さて、重力に逆らう何らかの原因があるのだろうか。不思議なことだ。智恵を絞って考えてみた。地形の影響が大きい原因ではないだろうかと。
つまりソテツの赤い実は、カルスト地形の表面を転げ落ちながら岩の割れ目にへばり付き、いつか芽生えた。成長とともに、隣の仲間の姿とは異なるその不自然さには気づいた。しかし、絶壁に吹き付ける強い風は、岩肌に沿いながら吹き上げる風となり、それが「支柱」の役目をなした結果ではないだろうか。
奇跡的なことである。是非ご覧頂きたい。
(文責 博物館名誉館長 大城逸朗)
Posted by 大石林山 at 09:28│Comments(0)
│自然の話題
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